たぶん、ここに引っ越してきた時が一番ネガティブだった

渡米直後いかに自分がネガティブだったかを思い出した。

アメリカに対する不満は、たぶんほとんどの日本人が同じように思うだろう。食べ物がまずいだとか、服の趣味が悪いだとか、デブばっかりだとか。

 

英語がよく分からないこともストレスだ。

テレビを見ても何を言っているのか分からないから、社会情勢に疎くなってしまう。会話も大変だが、医者などで書類を書くこともかなりの苦労。今はスマホに辞書機能がついているから便利だが、私が渡米した20数年前は、病院や銀行に行く時は辞書を持って行った。はは。。。

 

最初の5年ぐらいはアメリカが好きになれなかった。

外ではじいちゃんに昔々の戦争経験で日本は嫌いだと文句は言われるし。友達と日本語で喋っていると、英語を話せ、何を言っているのか分からないのはアンフェアだと言われるし。ま、私がアメリカが嫌いだったように、彼らも日本は嫌いだったのだろう。

そんなときに映画 "Independence Day"をみせられた。元々映画はそんなに好きではないし、英語は聞き取れないし、ぜんぜん面白いとは思わなかった。一番この映画でムカついたことは、「アメリカ一番、アメリカ万歳」みたいなところ。アンチアメリカになっていた私は、耐えられなくなって映画館を出てしまった。

 

自国ではないので好きになれなくても仕方がない。でも、今にして思えば分からないことだらけで、混乱しまくっていたのか、とも思う。

英語はもちろん、食生活を含むアメリカ文化、役所や病院での対応、近所付き合い、その他もろもろ。その上で子供が生まれた。赤ちゃんなんて抱いたこともなかった。すべてのことを一気に学ばないとならなかった。

 

そんな不満だらけのとんがった私を変えたのが、ある日本人のことば。彼はアメリカでミュージシャンとして活躍している。彼も渡米直後は苦労したそうだ。かなり貧乏だったらしいし。でも、今はこの地に住ませてもらって、お金も得ているから、アメリカに感謝している、と。

「そうか、私には感謝の気持ちがなかった。」と反省。考えてみると、けっこういい人もいるし、いろいろな人たちにお世話にもなった。食べ物も来たばかりの時よりはかなり良くなった。昨日はラーメンを食べに行ったが、なかなか美味しかった。高いけど。

でも、日本の方が好きかというと、そうでもないのが正直な気持ち。

たぶん、どこに住んでも不満なのかも。