思い出したくない家族

夫の弟の葬儀らしいものが先週末にあった。日本だと亡くなった後、数日後に葬儀になるけど、アメリカだと葬儀の準備ができるまできちんとしたところで預かってくれる。だからか、夫の弟の葬儀も亡くなって3週間後ぐらいだったのか?でも、土葬ではなく火葬にすると言っていたので、すでに灰になっていたところを隣の州のお墓まで運んだのが先週末だったのかもしれない。私は相変わらずアトピーがひどいので参列はしなかったし、夫もお葬式ではなく"thing"と言っていたので、集まってくれた人たちと軽く何だかのセレモニーをした程度なのではないかと思う。夫に聞けばいいと思うだろうが、彼は自分に興味のないことは話さないので、聞いても大して教えてはくれないので敢えてだまっていた。

 

けっこう多くの人が集まってくれた、とは言っていた。誰かが亡くなると最低でも20人ぐらいは葬儀に来てくれる、とはいうが、まぁ、そうだろうな。家族、近所のひとたち、友達、職場の人など20人ぐらいは軽く集まりそうだよね。

 

そして、その来てくれた人たちのなかに、夫のお父さんの二人目の奥さんの家族がいたそうだ。(彼らはとっくの昔に離婚している。)私たちは彼らから遠くに住んでいることもあって、この家族のことはすっかり忘れていた。この奥さんは4人だか5人の子沢山だったのだが、そのうちの二人がすでにドラッグで亡くなっていたらしい。

 

私はこの家族には一度しか会ったことがない。というか、一度会って、もう会いたくないと思ったのだ。彼らの家はとても貧乏で、家具なんかはボロボロ、ダイニングの椅子なんか全く揃っていなくてバラバラ、というか、オフィス用の椅子だとか、椅子ならなんでもいいか、みたいなかんじ。どっかから拾ってきたのか?

 

奥さんは胸がものすごく大きいのだが、中年なのでその胸はお腹のあたりまで垂れ下がっていた。ブラなんてしていないだろう。まぁ、そんなのはどうでもいいのだが、この家族のなかに中学生の男の子がいたのだが、平日なのに学校に行っているわけでもなく、なぜか家にいる。理由を聞いたら、中学を退学になったそうだ。ということは、自動的に高校にも進めないし、小学校しか学歴がないことになるわけ?まぁ、ホームスクーリングだとかもできるが、大卒の人が教えないとならないし、まずそこまでやりそうな家族には見えなかった。

 

家はそこそこきれいにしていたし、ボロくても家具があるだけでもマシなのは今になると分かる。というのも、いろいろな貧乏人の話を聞いてきたからだ。貧乏すぎて家具がない家の子供たちは、椅子やベッドの存在を知らないので、学校でも椅子に座らず、床に座っている、という話を聞いた。もちろん、日本では床に座るし、床に寝たりもするが、座布団があったり布団をしいたりする。でも、こういった家庭にはそんなものもないのだろう。

 

私がこの家族に会ったのは日本から来たばかりの頃で、そんな貧乏な人たちは見たことがなかったし、ましてや中学も通えないような子がいる家庭なんて想像もつかなかった。もう会いたくないと思っても仕方がなかった。

 

でも、この家族とそのとき以来は全く付き合いがなくて本当によかったと思った。だって、二人もドラッグで亡くなっているなんて、うちの家族にも悪影響でしかないだろう。弟のセレモニーに来てくれたことには感謝はするし、今はあの頃よりもいい生活をしていることを願う。ま、うちも今は貧乏だから偉そうなことは言えないけどね。

 

読んでくれてありがとう。